曹 操 卑劣なる聖人 第七巻
●2023年7月下旬刊行
王暁磊[著] 後藤裕也[監訳] 濵名晋一 川合章子[訳]
四六上製 616頁 2,640円(税込)
ISBN 978–4–910112–06–0
河北を平定し、天下統一が現実味を帯びてきた曹操。まずは烏丸へ遠征して袁尚を亡き者にし、返す刀で荊州を屈伏させる。残る敵は孫権と憎っくき劉備だけ。いよいよ赤壁の戦いの火蓋が切られる。
曹操の50代半ば、西暦206年-210年を描く。
劉備、諸葛亮、周瑜はもちろんのこと、趙雲、孫権、魯粛、黄蓋、郭嘉、董昭、許攸、曹沖らが登場する。
第一章 曹操の罠
山奥に棲む隠者 沿海部での戦い
礼遇
第二章 烏丸への遠征
運河を開く 衆議を排す
第三章 張繡と郭嘉の死
無終で道を断たれる 北辺での苦難
第四章 烏丸兵を大いに破る
白狼山の頂 放歌高吟
第五章 粛清と専横
郭嘉を悼む 帝位を想う
それぞれの道
第六章 三公罷免、旧制の復活
孫権の仇討ち 浮かび上がる野心
第七章 劉備、密かに荊州を狙う
嵐の前 梯子を外して策を問う
劉表、遺児を託す
第八章 曹操、丞相となる
丞相拝命 わが世の春
御史大夫
第九章 劉表の急死と荊州降伏
劉琮、土地を差し出す 劉備の逃避行
襄陽の新たな主
第十章 長坂坡の戦い
旧友との再会 趙雲、幼い若君を守る
魯粛、江を渡る
第十一章 結束して曹操に抗う
江東を脅す 孫権、劉備と盟を結ぶ
第十二章 赤壁に戦端を開く
孫劉同盟 緒戦の不覚
第十三章 周瑜、苦肉の計
得失 蔓延する疫病
黄蓋からの書簡 槊を横たえて詩を賦す
第十四章 赤壁の戦い
戦船を焼く 大勢決す
決死の逃走
第十五章 風声鶴唳の華容道
悪路に迷う 泣き面に蜂
周瑜説得を命ず
第十六章 敗戦の処理と曹操の後悔
合肥の戦いの終結 敗戦の後始末
主な登場人物
主な官職
赤壁の戦いの地図
後漢時代の地図
後漢時代の司隷の地図
後漢時代の冀州、青州、兗州、豫州、徐州の地図
王 暁磊(おう ぎょうらい) 歴史作家。中国在住。『後漢書』、『正史 三国志』、『資治通鑑』はもちろんのこと、曹操に関するあらゆる史料を10年以上にわたり、まさに眼光紙背に徹するまで読み込み、本書を完成させた。曹操の21世紀の代弁者を自任する。
後藤 裕也(ごとう ゆうや) 目白大学外国語学部中国語学科准教授。博士(文学)。著書に『語り物「三国志」の研究』(汲古書院、2013年)、『武将で読む 三国志演義読本』(共著、勉誠出版、2014年)、訳書に『中国古典名劇選』シリーズ(共編訳、東方書店)、『中国文学史新著(増訂本)中巻』(共訳、関西大学出版部、2013年)、論文に「元雑劇「両軍師隔江闘智」と孫夫人」(『狩野直禎先生追悼 三国志論集』、汲古書院、2019年)などがある。
濵名晋一(はまな しんいち) 全国紙の記者。
川合章子(かわい しょうこ) 翻訳家、歴史ライター。訳書に『原典抄訳「三国志」(上、下)』、著書に『陰陽師の解剖図鑑』、『あらすじでわかる中国古典「超」入門』などがある。